親鸞聖人の生涯
〜『顛倒』連載版〜第57回
関東の地にはやがて、
門弟たちは、毎月25日の法然の命日になると集まり、念仏の教えを確かめあった。
それはまるで、「
このような万党の門弟たちを、親鸞は「わが弟子」ということはなかった。
−−−【『歎異抄』第6章より】−−−
○<住職のコメント>
私たち真宗大谷派の信仰運動を「同朋会運動」と呼びますが、
この名前はもちろん親鸞さまが、大切にされた「御同朋御同行」からきています。
「同朋」とは「同じく萌え出ずるもの」という意味で「みな同じ大地に生える木や草だ」という事です。人間は、すぐに葉の色や、枝ぶりなどを比べ合い、こちらが良いとか、あちらが優れているとか、優劣をつけ、それを上下として、一喜一憂して憂いに、閉ざされてしまい、その全てを支える、「大地」があることを、忘れてしまいがちなのです。
「同朋」とは「大地在り」の呼び声でもあります。それは当然「弟子一人も持たず」につながります。もちろん門弟は皆、親鸞を師と仰いでいました。親鸞もまた法然を生涯の師と仰いでおられました。しかし親鸞はここで、あえて「弟子を持たず」と言うのです。厳しい言葉です。もちろんそれは「同じ大地に生える朋(とも)だ」ということです。 が、そこには、師ー弟子という関係を上下関係にしてしまう人間の煩悩の問題が見据えられています。先生と言われて舞い上がってしまう心のすき。弟子と言って座り込んでしまう怠慢です。
「同朋」という大地、原点を確認した親鸞は、さらにそこで大地に足を据えしっかりと歩むことを、要請します。それが「同行」です。人間は原点を確認しても、またそこに依存します。考え言うだけのものになりがちです。そのように座り込む私たちに向かって、親鸞は「行動せよ」と、「阿弥陀仏の願いを我が願いとし、浄土を願って生きよ」 「真実に生きよう」と「ただ念仏」の一言に集約して、「一番低いことが、一番すごいのだ」と、私たちの常識を破壊しつつ促して下さっているのです。
「同朋」とは「同じく萌え出ずるもの」という意味で「みな同じ大地に生える木や草だ」という事です。人間は、すぐに葉の色や、枝ぶりなどを比べ合い、こちらが良いとか、あちらが優れているとか、優劣をつけ、それを上下として、一喜一憂して憂いに、閉ざされてしまい、その全てを支える、「大地」があることを、忘れてしまいがちなのです。
「同朋」とは「大地在り」の呼び声でもあります。それは当然「弟子一人も持たず」につながります。もちろん門弟は皆、親鸞を師と仰いでいました。親鸞もまた法然を生涯の師と仰いでおられました。しかし親鸞はここで、あえて「弟子を持たず」と言うのです。厳しい言葉です。もちろんそれは「同じ大地に生える朋(とも)だ」ということです。 が、そこには、師ー弟子という関係を上下関係にしてしまう人間の煩悩の問題が見据えられています。先生と言われて舞い上がってしまう心のすき。弟子と言って座り込んでしまう怠慢です。
「同朋」という大地、原点を確認した親鸞は、さらにそこで大地に足を据えしっかりと歩むことを、要請します。それが「同行」です。人間は原点を確認しても、またそこに依存します。考え言うだけのものになりがちです。そのように座り込む私たちに向かって、親鸞は「行動せよ」と、「阿弥陀仏の願いを我が願いとし、浄土を願って生きよ」 「真実に生きよう」と「ただ念仏」の一言に集約して、「一番低いことが、一番すごいのだ」と、私たちの常識を破壊しつつ促して下さっているのです。
―――以上『顛倒』2013年3月号 No.351より―――
- 目次
- 1.第1回 07年8月
- 2.第2回 07年9月
- 3.第3回 07年10月
- 4.第4回 07年11月
- 5.第5回 08年3月
- 6.第6回 08年4月
- 7.第7回 08年5月
- 8.第8回 08年6月
- 9.第9回 08年7月
- 10.第10回 08年8月
- 11.第11回 08年9月
- 12.第12回 08年10月
- 13.第13回 08年11月
- 14.第14回 09年2月
- 15.第15回 09年3月
- 16.第16回 09年4月
- 17.第17回 09年5月
- 18.第18回 09年6月
- 19.第19回 09年7月
- 20.第20回 09年8月
- 21.第21回 09年9月
- 22.第22回 09年10月
- 23.第23回 09年11月
- 24.第24回 09年12月
- 25.第25回 10年2月
- 26.第26回 10年3月
- 27.第27回 10年4月
- 28.第28回 10年6月
- 29.第29回 10年7月
- 30.第30回 10年8月
- 31.第31回 10年9月
- 32.第32回 10年10月
- 33.第33回 10年11月
- 34.第34回 10年12月
- 35.第35回 11年2月
- 36.第36回 11年3月
- 37.第37回 11年5月
- 38.第38回 11年6月
- 39.第39回 11年7月
- 40.第40回 11年8月
- 41.第41回 11年9月
- 42.第42回 11年10月
- 43.第43回 11年11月
- 44.第44回 11年12月
- 45.第45回 12年2月
- 46.第46回 12年3月
- 47.第47回 12年4月
- 48.第48回 12年5月
- 49.第49回 12年6月
- 50.第50回 12年7月
- 51.第51回 12年8月
- 52.第52回 12年9月
- 53.第53回 12年10月
- 54.第54回 12年11月
- 55.第55回 12年12月
- 56.第56回 13年2月
- 57.第57回 13年3月
- 58.第58回 13年4月
- 59.第59回 13年5月
- 60.第60回 13年6月
- 61.第61回 13年7月
- 62.第62回 13年8月
- 63.第63回 13年9月
- 64.第64回 13年10月
- 65.第65回 13年11月
- 66.第66回 13年12月
- 67.第67回 14年2月
- 68.第68回 14年3月
- 69.第69回 14年4月
- 70.第70回 14年5月
- 71.第71回 14年6月
- 72.第72回 14年7月
- 73.第73回 14年8月
- 74.第74回 14年9月
- 75.第75回 14年10月