年頭の挨拶

2009年 年頭の挨拶

年頭の挨拶2009

 昨年もまた残念なことに「自殺」が3万人を超えました。もう10年ほど続いています。 「いったい何ナノかな、このクニは」とも思います。 そこにもちろん、「勝ち組、負け組」といった「世間の冷たい評価」があります。 また行政や政治の対応のまずさもたくさんあります。
が同時に「自分自身」が「本来の自分自身」を見失って、 「世間の評価する自分」という「価値観」を、すなわち 「評価、価値」といった「相対有限」なものを「絶対的に内在化」してしまっている問題が 自分の側にもあるのではと思います。 事業に成功して羽振りの良い自分は自分として認めるが、失敗した自分は自分ではない。 健康な私は認めるが病気の私は私ではない。という『思い』です。

 それに対して、「如来、我となって、我をすくいたもう」と看破してくださった大先輩がおられました。 「無量寿」という「阿弥陀なる、永遠無限なるいのちそのもの」が「私」となってくださっていることが 『真実』ではないか、という問いかけです。

 仏教に触れてから私は 実は「あけましておめでとう」と無邪気には言えなくなっていました。 ところが数年前に「おめでとう」という言葉の本来の意味を知ったのです。 それは「愛でたい」だというのです。「愛でとうございます」ですから、 それは「この一年を愛したい、大切にしたい」という事です。 この人間の気持ちは誠に自然な事でしょう。 昨年もいろいろ、むしろ嫌な事も多くありました。 お釈迦様が「一切皆苦」と言われるように、なかなか思い通りにはいきませんでした。 今年も多分そうでしょう。 でもまたこの一年、たった一度しかない貴重な私の一年です。 大切にして一歩を踏み出そうではないですか。

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