ゴータマ・ブッディズムの生活(10)

 

四諦八聖道

 仏陀(目覚めた人)となった、ゴータマシッダールタ(お釈迦さま)は、以前苦行を共にした五人の比丘に会うために、彼らの住むミガダーヤ〈鹿野苑)に行き、彼らに、清らかな智慧と苦の滅とにいたる中道を説いた。それによって彼らは悟ることができた。これを初転法輪という。

 ここに仏、法、僧の三宝が人類の歴史上に成立したのである。

『釈尊読本』より


釈尊五比丘に法を説く ポロブドゥル寺院彫刻

 

比丘たちよ。人が避けねばならぬ二つの偏った道がある。

  それは、卑しい欲にふける愚かな快楽の生活と、

  いたずらに自分をさいなむ愚かな苦行の生活である。

この偏った道を離れて心の眼をひらき智慧を進め、正覚に導く中道が如来によって覚られた。

 

中道とは八聖道、すなわち正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定である。

それは四聖諦、すなわち四苦八苦を知り、渇愛を断ち、覚り、八聖道を修めることである。

 

私はこれらの自ら覚った法のうえに、心の眼を開き、智慧と光とを生じた。

 

八聖道

 

正見 ...真理にかなった見方

正思 ...こころのはたらきを
    正しくすること

正語 ...本当の言葉を語ること

正業 ...正しい行いをすること

正命 ...本当の生活

正精進 ...本当の努力

正念 ...常に真理にかなった
   本当のあり方を念じること

正定 ...正念によって精神と
   生活がひとつになった状態

四苦

八苦

四苦、および次の四つの苦。

 

怨憎会苦 ...怨みある者と

       会わねばならぬ苦。

愛別離苦 ...愛する者と

       別れねばならぬ苦。

求不得苦 ...求めて得ざる苦。

 

五蘊盛苦(ごうんじょうく) ...

   人として存在する全ての苦。

 

住職のひとこと

 

誠にもっともな事が語られている。ところが、ここから人間の問題が始まる。

□例えば、「こんな理想は人間にはできない」と投げてしまったり。

□例えば、「そうだ、そのように正しく生きねばならない。」と肩に力がはいったり。

□「私は正しいことをしている」と思い込んでしまったり....。

 

そのどれもが、仏陀(真理)の眼からは、「顛倒(てんどう)」している。

それらは私達に課題として与えられているのだ。

□「やれ」と強いられているのでもなく、

□「できる」「できない」の分別でもない。

□全く「できない」ところから、歩み出すことが「できる」のだ。

 

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